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プレジャーB・大棟耕介(クラウンK)さん・ホスピタルクラウンなど
魅力的な道化師たちの記録。


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2008.07.29

【PART3/4】大棟耕介さんの講演会in名古屋

ホスピタルクラウン講演会

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2008.07.28

【PART3/4】大棟耕介さんの講演会in名古屋 ★ 閲覧方法

ホスピタルクラウン講演会

これまでの記事 → 【PART1】【PART2】

■ 書くことの責任 公にすることの責任
以前、自分の書いた記事が参考にされているのではないかと思われるコメントを、ウェブ上で見かけたことがあります。
そこでは、私の要約文が大棟耕介さんの発言であるかのように紹介されていました。
それに関しては幸いなことに実害のないものだったのですが、記事を公開する以上、常に誤解や曲解のリスクをはらんでいるという事実には変わりはありません。

・自身の文より引用文の割合を少なくすること、且つ、引用は良識の範囲内にとどめること
・自身の文と引用文の区別を明らかにすること

少なくともこの2点については、遵守してきたつもりではいます。
しかしながら、人の記憶というものは実に曖昧なものです。
私にも幾度となく覚えがありますが、ウェブで読んだものは出所を失念しやすく、繰り返し読むことが少ないために、余計記憶に狂いが生じやすくなります。


■ 意外と読まれているものだからこそ
そこで、【PART3】については随分と思案しました。
果たしてこれをアップしてよいものか、と。
【PART3】では、大棟さんの発言と自分の見解が混在しています。
自分では良かれと思って公開したものが、かえって大棟さんにご迷惑をかけたり、ホスピタルクラウンの活動を阻害したりしてしまうこともあるかもしれない・・・そんな懸念があります。

いっそ書かなければリスクはないわけですが、伺ってきた貴重なお話を、我が胸のうちだけに留めておくことに対しての罪悪感もぬぐえません。
 

■ 用心しすぎるくらいでちょうどよいのです
考えた末、結論を出しました。
パスワード制にして記事をアップします。
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☆ しばらく経っても返信が届かない場合は、
  恐れ入りますがコメント欄にてお知らせください。

お手数をおかけしますが、よろしくお願い致します。

ちなみに・・・
大棟さんの講演内容を端的かつ詳細にお知りになりたい方は、
労働組合ってなにするところ?様の記事をおすすめします。
内容は私が伺ったものとほぼ同じですが、私の記事よりはるかに豊富です。

2008.07.25

やっぱりすごいや! クラウンさん!!

思惟をめぐらし

駅前広場に人だかりができていた。人山の頭の向こうで跳ねるボールがちらちら垣間見える。
もしやと近づいてみると、やはりジャグリングの最中だった。
祭りの一イベントとして大道芸人が招かれていたらしい。

初めて見る生の大道芸を前に、私の頭の中はひとつのテーマでいっぱいになっていた。

「果たして、大道芸とクラウンパフォーマンスは何が違うのか?」

ジャグリングのほか、パントマイム、一輪車、マジックetc――どれもクラウンがやっているものと大きな違いはない。
話術や失敗したときの笑いのとり方も、さほどクラウンと変わらないように思えた。

芸人さんは、じーにょさんやChangさんにちょっと似た感じのなかなかの好青年で、場数もかなり踏んでいそうである。
観客の受けもまずまずだ。

でももし彼がクラウンの姿をしていたらどうだろう。
そう想像してみると、そこにクラウンとの圧倒的な相違が見えた。

そこにいた観客は40名ほどだろうか。
その人々はただの見物人でしかなかった。
興味を失うや、一瞬で背を向ける残酷で正直な野次馬だった。

プレジャーBのショーを観ていていつも感じるのは、場の温かさと彼らへの親しみである。
私自身の心がほっこりとしてくるのはもちろんのこと、周りにいる観客のそんな気持ちもこちらに伝播してくる。
普段は潜在的に否定している私という存在を、ごく自然に肯定できる――そんな安寧をプレゼントしてくれるのが彼らだ。
傍にいるということ、それだけで心地良い。

「クラウンは観客と、時間と空間を共有する」とは、クラウンKこと大棟耕介さんの弁である。
今日はその意味が感覚として実によく判った。まったくそのとおり、言い得て妙だと膝を打った。
「クラウンと観客」の関係は「観せる側と観る側」ではない。
今この時をこの場所で共に生きる者たち、つまり「私たち」なのだ。

大道芸もクラウンパフォーマンス同様、「すごい」「楽しい」と感じたが、そこには「観せる側と観る側」「彼と私」の壁が歴然と存在していた。
ほかの誰かの喜びが私の中に響いてくることは殆どなく、私の喜びもまた、結局は私一人のものでしかないように感じられた。

たまたま同じ時間に同じ場所に居合わせている人々。この条件だけでは共有とは呼べない。
クラウンのパフォーマンスによって生み出されるのは、調和された交感だと思う。
なぜなら一流の道化師は、一流の調律師でもあるからだ。
(これについては「【PART3】大棟耕介さんの講演会in名古屋」で改めて )

生まれて初めて生で見た大道芸が終わり、生まれて初めて帽子の中にお金を入れるというイベントを終えたとき、大道芸人さんに話しかけてみた。
汗だくの彼が返してくれた表情は、やはりクラウンのそれとは違っていた。

こんなとき、クラウンさんならきっと顔にこう書いてある。
「わたしもあなたが好きです」――と。

2008.07.19

【PART2/4】大棟耕介さんの講演会in名古屋

ホスピタルクラウン講演会

前回の記事まずは前回の記事からどうぞ

*      *      *


演題は「主役の子どもにしかってもらう」。
ビジネス系の講演が多い中、今回はホスピタルクラウンそのものに焦点をあてたお話を聴かせてくださるそうだ。

講演開始を待つ間、会場の正面のスクリーンに『NONFIX』が映写されている。
10分見ただけで眠れなくなってしまったドキュメント番組だ。
この後、ご本人から直接お話を伺ったら、どうなってしまうのだろう。
そんなことを考えながら、しかしなぜか不安はなかった。

クスクスさんからプレジャーBのショーの宣伝、副理事長の原田さんのMC、同じく副理事長の池崎さんの挨拶が終わると、いつの間にやら聴衆の後ろへ立っていらした大棟さんが演壇へと進む。
大棟さんの乗り気とやる気は頭の剃り具合で判る――そんな勝手なものさしで測れば、今日のは一層気合を感じさせる剃り方だ。

「いつもはこんな調子じゃないんですが、今日は地元の方ばかりということですので、自己紹介は省略して最初から飛ばしていきます! 」

その日2本目の講演ということもあり、かなりテンションが上がっていらしたそうである。 メニューを他の講演よりも増やしていたというところからも、意気込みが伺えた。
淡いオレンジピンクのシャツといういでたちも珍しいのではないだろうか。
この講演は、大棟さんにとって特別なものであるに違いない。

「僕の仕事は、空気を変えることです」

宣言どおり、講演は初っ端からトップギアで滑り出した。
黒柳徹子さんを思わせる早口で、息つく間も惜しむように次から次へと語られていく。

その9割以上は、ネット上の情報(リンク集)、雑誌(『ガンダムエース』『婦人之友』ほか)、テレビ(『NONFIX』『未来図鑑』)、ラジオ(『ラジオドキュメンタリー〜笑顔の先にあるもの〜』)、Kさんのブログ、書籍(『ホスピタルクラウン 病院に笑いを届ける道化師』)、パッチ・アダムスとのロシアの病院訪問日記などで、読んだり聞いたりしたものだったが、ご本人の口から直接伺うと、断片がつながり行間が埋められ、立体感のあるエピソードとなって迫ってくる。
現場でたたき上げている人しかもち得ないしたたかさが、背後に見えるようだ。

予備知識をそれなりにもち合わせていた私は、復習授業を受けているような気分になった。
が、退屈した時間は、びた1秒とてない。ひたすらに聞き入った。
終始笑いに満ちた講演だったから、という理由ばかりでもない。
大棟さんの存在そのものが雄弁なのだ。

これから大棟さんの講演会に赴かれる方は予習なさっておくとよいと思う。
特に、大棟さんを招聘せんとする企画者は、『ホスピタルクラウン 病院に笑いを届ける道化師』以外のものを片っ端から読むなり聞くなりしておくべきだろう。
どんなものであれ、編集の手が入っているものは、事実ではあっても真実ではない。
が、多くのものに触れてゆけば、共通項から幾ばくかの真実を予測することは可能になる。

さらに、できることならクラウンKさんに会っておきたい。そして、接客の様子をしっかり見ておくことをお勧めする。
自身で観察したことを話の中に摺り合せて聴けば、説得力に格段の差が出ることは間違いない。

その意味では、自分がたいそう贅沢な聞き手であったことに今更ながら気づく。
だが私は、医療従事者でもなければ、パフォーマーでもない。福祉にもボランティアにも興味はない。
私などよりもっと切実に聴かねばならぬ人はいるだろうに――。
なぜここにいるのは私なのだろう。


前回の記事 【PART3】の閲覧方法は?
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2008.07.16

【PART1/4】大棟耕介さんの講演会in名古屋

ホスピタルクラウン講演会


仕事の締切があと1日ずれ込んでいたら、アウトだった。
ようやく休みがとれた。これで大手を振って行ける。

会場は名古屋駅から徒歩2分。このわずかな距離が私を油断させた。
道に迷ってしまったのだ。
手には日本ホスピタル・クラウン協会からいただいた地図。
自分を高く見積もりすぎていた。もっと詳細な地図をもってくるべきだった。
と後悔しても始まらない。
この短距離でかくも見事に迷子になるとは、さすが方向音痴の看板に違わぬ。
などと感心している場合でもない。

ぐらり。
ふいに足元が揺らいだ。横断歩道の段差で滑る。両膝を打った。
疲労がたまるといつも転びそうになる。
ここまではっきりと転んだのはいつ以来だろう。
きっと半月格闘し続けた仕事のせいだ。まぶたも重い。

道を1本間違えている気がして引き返すと、すぐに目的地の看板が見えた。
講演が行われるビル内に入ると、間を置かず、私のすぐ後ろから数人のお客さんが現れる。
「こんにちは!」
元気な声に振り向くと、そこにいらしたのは素顔のクラウンさんたちだった。

今回の講演には、クラウンさんたちも聴衆として参加なさっているそうだ。Kさんのブログにそう書かれていた。
一緒にエレベーターに乗り込む。
一方的に知っている方々と狭い空間にいるのは、自分の置き所が判らず何となく気恥ずかしい。
と同時に、己が幸運をありがたくも思う。
私にとって優れたクラウンさんは、小さな神様なのだ。
この時点で、迷子と転倒の不幸はすっかり相殺されていた。

受付で料金を払い、中に入る。
見渡せば、ノーメイクのクラウンさんたちが勢揃いし、プレジャー企画のスタッフの方々の姿もあった。
これが劇団の人間たちなら、一種の妖気さえ漂いかねないところである。
しかし、このクラウンという方々は実に自己主張の気配がない。そのことに、いつもながら驚嘆する。
まるで空気のようだ。

大棟さんはホスピタルクラウンの活動を、「病室へ外の空気を運ぶ」と表現なさるが、上質のクラウンは空気そのものなのではないかと思う。
彼らの側へ近づくたび、彼らと話すたび、その邪気のなさ少なさにハッとし、自分の中にある未浄化のおどろおどろしいものに、否が応でも気づかされる。
だが、それは不思議なほど苦味を伴わない。
彼らとともに、共感をもってそこに在るとき、同時に清められていくからだ。


【PART2】大棟耕介さんの講演会in名古屋 【PART2】へ続く...

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