4/29に開催されたクラウンKさんのパフォーマンスショーの記録です。
13:30〜と15:30〜の2回観てまいりました。
まずは、第1話からどうぞ。
ひとつ前のお話はこちらです。
【 第5話 】
前の回のショーが終わったあと、私は「次もまた観に来ます」とKさんに知らせていました。
Kさんは、「(次の回も)あんまり代わり映えしませんが」と謙遜していましたが、たとえ出し物が同じでもお客さんが変わればショーはまったく別ものにもなります。
しかも相手がきまぐれなちびっ子たちとくれば、なおのことです。
最後のショーの子どもたちは、Kさんにじりじり近づいて無我夢中で見ていたと思ったら、そのうち風船をさいそくし始めました。
「あと3つだけ(パフォーマンスを)やらしてよ。お願い」とKさんがにじり寄る子どもたちをなだめます。
それを聞いて大人たちは一斉に笑いました。
すべてのパフォーマンスを終えると、Kさんは子どもたちのために、ひたすらバルーンをふくらませていきました。
Kさんが息をふきこむと、風船はすぐにプーッと大きくなります。
おもちゃ屋さんで売られているようなふつうの風船なら、だれだって1度くらいはふくらませたことがあるでしょう。
Kさんがやっているのを見ると、それと同じくらいかんたんそうに思えます。
でも本当はそうではありませんでした。
前の回にいたお客さんのお話です。
Kさんからバルーンをわたされて、ふくらませてくださいとたのまれた男の人がいました。
その男の人は、力いっぱい息を入れています。
でも、バルーンはひもみたいにだらんと下がったままで、ちっともふくらみません。
「どうやったらうまくできるんですか? こつを教えてください」
力を入れすぎて顔を真っ赤にしたお客さんが、Kさんにたずねました。
Kさんはにやりと笑って、
「ハート」と答えました。
それを聞いてお客さんは、「よし、ハート」と言ってもう一度挑戦しましたが、もちろん、風船はぜんぜんふくらみませんでした。
これはKさんのちょっとしたいたずらです。
バルーンアート用の風船は、ふつうの人にはなかなかふくらませられないものなんですって。
そんな話をどこかで聞いたことがあります。
最後のショーが終わっても、Kさんは大いそがしでした。
風船をほしがる子どもたちが、Kさんのまわりに集まっています。
Kさんは、バルーンをふくらませると、手首をくるくると動かしたり、体にバルーンをおしあててぐるぐる回転させたりして、動物をつくっていきました。
風船をふくらませる名人でも、一度にたくさんつくるのはやっぱりたいへんなのか、ちょっと息をきらしています。
それでも、あっという間にクマやプードルに変身させると、子どもたちにプレゼントしていきました。
どこの国でも子どもはみんなバルーンが大好きだそうです。
ホスピタルクラウンとしてロシアの病院へ行くと、Kさんは「マシーン化する」と言います。
きっとそこには、バルーンをねだる子どもたちがここの何倍も何十倍もいるのでしょう。
製造工場のロボットのようなKさんの早業に感心しながら、そんなことを想像していました。
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13:30〜と15:30〜の2回観てまいりました。
まずは、第1話からどうぞ。
ひとつ前のお話はこちらです。
* * *
【 第5話 】
前の回のショーが終わったあと、私は「次もまた観に来ます」とKさんに知らせていました。
Kさんは、「(次の回も)あんまり代わり映えしませんが」と謙遜していましたが、たとえ出し物が同じでもお客さんが変わればショーはまったく別ものにもなります。
しかも相手がきまぐれなちびっ子たちとくれば、なおのことです。
最後のショーの子どもたちは、Kさんにじりじり近づいて無我夢中で見ていたと思ったら、そのうち風船をさいそくし始めました。
「あと3つだけ(パフォーマンスを)やらしてよ。お願い」とKさんがにじり寄る子どもたちをなだめます。
それを聞いて大人たちは一斉に笑いました。
すべてのパフォーマンスを終えると、Kさんは子どもたちのために、ひたすらバルーンをふくらませていきました。
Kさんが息をふきこむと、風船はすぐにプーッと大きくなります。
おもちゃ屋さんで売られているようなふつうの風船なら、だれだって1度くらいはふくらませたことがあるでしょう。
Kさんがやっているのを見ると、それと同じくらいかんたんそうに思えます。
でも本当はそうではありませんでした。
前の回にいたお客さんのお話です。
Kさんからバルーンをわたされて、ふくらませてくださいとたのまれた男の人がいました。
その男の人は、力いっぱい息を入れています。
でも、バルーンはひもみたいにだらんと下がったままで、ちっともふくらみません。
「どうやったらうまくできるんですか? こつを教えてください」
力を入れすぎて顔を真っ赤にしたお客さんが、Kさんにたずねました。
Kさんはにやりと笑って、
「ハート」と答えました。
それを聞いてお客さんは、「よし、ハート」と言ってもう一度挑戦しましたが、もちろん、風船はぜんぜんふくらみませんでした。
これはKさんのちょっとしたいたずらです。
バルーンアート用の風船は、ふつうの人にはなかなかふくらませられないものなんですって。
そんな話をどこかで聞いたことがあります。
最後のショーが終わっても、Kさんは大いそがしでした。
風船をほしがる子どもたちが、Kさんのまわりに集まっています。
Kさんは、バルーンをふくらませると、手首をくるくると動かしたり、体にバルーンをおしあててぐるぐる回転させたりして、動物をつくっていきました。
風船をふくらませる名人でも、一度にたくさんつくるのはやっぱりたいへんなのか、ちょっと息をきらしています。
それでも、あっという間にクマやプードルに変身させると、子どもたちにプレゼントしていきました。
どこの国でも子どもはみんなバルーンが大好きだそうです。
ホスピタルクラウンとしてロシアの病院へ行くと、Kさんは「マシーン化する」と言います。
きっとそこには、バルーンをねだる子どもたちがここの何倍も何十倍もいるのでしょう。
製造工場のロボットのようなKさんの早業に感心しながら、そんなことを想像していました。
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