そう、確かそんな風なものなのだと思っていた。
ドラマ「笑顔をくれた君へ」のクラウンK。彼は、本物のクラウンにまだ会ったことのなかった私が抱いていたクラウン像そのものだ。
私が初めて「クラウン」に会ったのは、昨年の6月。大棟耕介さんと道ですれ違ったのがきっかけで、プレジャーBの存在を知るに至ったのだけれども、この貧民メンドクサガリータには、たかがショー1つ観に行くにも決意が必要だった。その私がチケットを買い付けた理由は、観に行くべきだ、そうしなければならないという内なる声に抗えなかったことに尽きる。
観に行くにあたり、ひととおり予習をした。クラウンさんたちの名前、プロフィールは勿論、ショーの感想もあれこれと読んだ。異口同音に、楽しかった、元気をもらったと言う。悪評は一つもない。書き手は余程のストレスを抱えているのか、ほかにこれといった楽しみもなく暮らしているのか。それとも本当にそこまで面白いのか。
そしてこのクラウンという人たち。奇抜なメイクに派手な衣装。ことばは悪いが有体に言ってしまえば、珍妙である。大の大人がこれだけ揃って、この風体。只事ではない。きっと「クラウン」というものの内に、何か惹きつけてやまないものがあるに違いない。その何かが彼らを「クラウン」にしているのだ。きっと何か――とてつもない魅力が。
半ばそれらの正体を確かめるつもりで、私は劇場へと足を向けた。
驚きの連続だった。
この人間離れした白塗りの全く自然なことといったらどうだろう。不自然極まりないそれが、まるで初めからその人の一部であるかの如く馴染んでいる。
いわゆる客商売の「愛想」がないことも衝撃だった。何かを「与えよう」という気配を感じさせない。無論、何かを「奪おう」というものなど元よりない。他人にこうしてあげたいされたくない、思われたい思われたくないという束縛《エゴ》から、彼らは完全に自由であるように見えた。
「クラウン」は、今この時をこの空間を、深く生き生きと呼吸しながら、ここに在るものすべてを無条件に抱擁しているようだった。
「生きる」の語源は、「息する」こと。
「息する」ことは「生きる」こと。
その大きな腕に包まれて、私の呼吸は赤ん坊になった。
彼らに触れる、声を掛ける、ほほえみを返す、ほかの誰かのその風景を眺める――いつしかそのどれもに、同じ解放、同じ安らぎを感じ、そう感じていることを素直に受容している自分が、さらに私を喫驚させた。
普段の私は、自他に対して澄んだ感情を抱いている自分を素直に受け入れられないほど、ねじれこじれている。その私を、かくも易々と帰順させてしまうこの人たちは一体何者だろうか。
……ああ、きっと地球の人間ではないのだ。どこかよその星からやってきた人なのだ。クラウンに「星から来た人」の異名があることなど知らなくてもわかる。彼らは、今私に最も近く、遥か彼方に居る。同じ地平にいながら別の次元に居る。
最も親愛なる異人として。
同じ空間、同じ時間の中に居るということ、それだけで心満たしてしまう「クラウン」。珍妙であるどころか、深妙なこの光は彼岸ですら観たことがない。
彼らとの出会いは、浄化《カタルシス》であったし、私自身の供養ですらあったかもしれないと思う。彼らに会ってからというもの、ふとしたことで気づかされる。それは、アハ体験のように、渦中にいる私自身には殆ど自覚できないことではあるのだけれども、他人への感じ方、他人からの感じられ方が変化しつつあることを、時折起こる思いがけない現象によって知らされる。
私はこれを「クラウンの魔法」と信じて疑わない。
そしてその魔法を幻想にすり替えてしまわないように、何度も何度も反芻する。
彼らに初めて会ったときの想いを、彼らがくれたものを決して忘れないように。
繰り返し繰り返し、銘記して。
ドラマ「笑顔をくれた君へ」のクラウンK。彼は、本物のクラウンにまだ会ったことのなかった私が抱いていたクラウン像そのものだ。
私が初めて「クラウン」に会ったのは、昨年の6月。大棟耕介さんと道ですれ違ったのがきっかけで、プレジャーBの存在を知るに至ったのだけれども、この貧民メンドクサガリータには、たかがショー1つ観に行くにも決意が必要だった。その私がチケットを買い付けた理由は、観に行くべきだ、そうしなければならないという内なる声に抗えなかったことに尽きる。
観に行くにあたり、ひととおり予習をした。クラウンさんたちの名前、プロフィールは勿論、ショーの感想もあれこれと読んだ。異口同音に、楽しかった、元気をもらったと言う。悪評は一つもない。書き手は余程のストレスを抱えているのか、ほかにこれといった楽しみもなく暮らしているのか。それとも本当にそこまで面白いのか。
そしてこのクラウンという人たち。奇抜なメイクに派手な衣装。ことばは悪いが有体に言ってしまえば、珍妙である。大の大人がこれだけ揃って、この風体。只事ではない。きっと「クラウン」というものの内に、何か惹きつけてやまないものがあるに違いない。その何かが彼らを「クラウン」にしているのだ。きっと何か――とてつもない魅力が。
半ばそれらの正体を確かめるつもりで、私は劇場へと足を向けた。
驚きの連続だった。
この人間離れした白塗りの全く自然なことといったらどうだろう。不自然極まりないそれが、まるで初めからその人の一部であるかの如く馴染んでいる。
いわゆる客商売の「愛想」がないことも衝撃だった。何かを「与えよう」という気配を感じさせない。無論、何かを「奪おう」というものなど元よりない。他人にこうしてあげたいされたくない、思われたい思われたくないという束縛《エゴ》から、彼らは完全に自由であるように見えた。
「クラウン」は、今この時をこの空間を、深く生き生きと呼吸しながら、ここに在るものすべてを無条件に抱擁しているようだった。
「生きる」の語源は、「息する」こと。
「息する」ことは「生きる」こと。
その大きな腕に包まれて、私の呼吸は赤ん坊になった。
彼らに触れる、声を掛ける、ほほえみを返す、ほかの誰かのその風景を眺める――いつしかそのどれもに、同じ解放、同じ安らぎを感じ、そう感じていることを素直に受容している自分が、さらに私を喫驚させた。
普段の私は、自他に対して澄んだ感情を抱いている自分を素直に受け入れられないほど、ねじれこじれている。その私を、かくも易々と帰順させてしまうこの人たちは一体何者だろうか。
……ああ、きっと地球の人間ではないのだ。どこかよその星からやってきた人なのだ。クラウンに「星から来た人」の異名があることなど知らなくてもわかる。彼らは、今私に最も近く、遥か彼方に居る。同じ地平にいながら別の次元に居る。
最も親愛なる異人として。
同じ空間、同じ時間の中に居るということ、それだけで心満たしてしまう「クラウン」。珍妙であるどころか、深妙なこの光は彼岸ですら観たことがない。
彼らとの出会いは、浄化《カタルシス》であったし、私自身の供養ですらあったかもしれないと思う。彼らに会ってからというもの、ふとしたことで気づかされる。それは、アハ体験のように、渦中にいる私自身には殆ど自覚できないことではあるのだけれども、他人への感じ方、他人からの感じられ方が変化しつつあることを、時折起こる思いがけない現象によって知らされる。
私はこれを「クラウンの魔法」と信じて疑わない。
そしてその魔法を幻想にすり替えてしまわないように、何度も何度も反芻する。
彼らに初めて会ったときの想いを、彼らがくれたものを決して忘れないように。
繰り返し繰り返し、銘記して。
Comment
今、「半端なくスゴい」と尊敬している方がお二人いらっしゃいまして。
Kさんとメムさんなのですが。
年明け早々、私自身がKさんに「凄い」と言われてしまい、びっくり仰天した記憶未だ消え去らぬなか、なんとメムさんにまで・・・!
ひえええ。どうしましょう。畏れ多いですよ。
いやもう、お世辞とはわかっていても、心は走って逃げ出してます、奇声を発しながら・・・!
・・・さて、そんな変人っぷりが噂になるのか、
昔から、やれ「一度会ってみたい」だの「以前から会ってみたいと思っていた」だのと言われることが、ちらほらとあるのですが、
実際に会った人から「会えてよかった」のことばを頂いたことが一回とてない、とっても素敵な人なんですよね、私。
〔想像式〕
一度でいいからカルピスを原液で飲んでみたい♪ → 実行 →
メムさんとはいつかどこかで、当たり前のようにお会いするような気もします。
その節はどうぞご注意ください。
Kさんとメムさんなのですが。
年明け早々、私自身がKさんに「凄い」と言われてしまい、びっくり仰天した記憶未だ消え去らぬなか、なんとメムさんにまで・・・!
ひえええ。どうしましょう。畏れ多いですよ。
いやもう、お世辞とはわかっていても、心は走って逃げ出してます、奇声を発しながら・・・!
・・・さて、そんな変人っぷりが噂になるのか、
昔から、やれ「一度会ってみたい」だの「以前から会ってみたいと思っていた」だのと言われることが、ちらほらとあるのですが、
実際に会った人から「会えてよかった」のことばを頂いたことが一回とてない、とっても素敵な人なんですよね、私。
〔想像式〕
一度でいいからカルピスを原液で飲んでみたい♪ → 実行 →
メムさんとはいつかどこかで、当たり前のようにお会いするような気もします。
その節はどうぞご注意ください。
本気でどうでもいい話をしますが
Kさんに対して「凄い!」と、思ったのが
2回目にお会いした時に
雨降る中、傘をさしてわざわざ出迎えてくださったのです
私ごときの為にですね
蛇の目でお迎え嬉しいな♪ですよ!
ホントに。。
これのどこが凄いのかは、きっと
チロルさんになら、分かっていただけると思いまして・・・(懇願)
Kさんに対して「凄い!」と、思ったのが
2回目にお会いした時に
雨降る中、傘をさしてわざわざ出迎えてくださったのです
私ごときの為にですね
蛇の目でお迎え嬉しいな♪ですよ!
ホントに。。
これのどこが凄いのかは、きっと
チロルさんになら、分かっていただけると思いまして・・・(懇願)
王様のお出迎えの巻きは、以前記事になさっていらっしゃいましたね。
読ませてもらった当時は、Kさんのことをほとんど知らなかったので、そんなにピンとこなかったのですが、今は違いますよ! ええええ、わかります!
私にも同じような目頭の熱くなる(というか、涙ぽろぽろのレベルの)エピソードが幾つかありますので。。。
読ませてもらった当時は、Kさんのことをほとんど知らなかったので、そんなにピンとこなかったのですが、今は違いますよ! ええええ、わかります!
私にも同じような目頭の熱くなる(というか、涙ぽろぽろのレベルの)エピソードが幾つかありますので。。。
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いや、ホントに素晴らしいです。
チロルさんは、凄いと思います。
もう、なんというか、本気で家に来てもらいたいというか
伺いたいというか
いつか、お会いしたいです。